【イベントレポート】SUKIYAKI Summit 2016 ①

November 03, 2016 at 12:00am | by Logstar.jp
 
11月1日(火)、マウンテンビューのPlug & Play Tech Centerにて設立1周年を迎えたSUKIYAKIによる「SUKIYAKI Summit 2016」が開催された。SUKIYAKIは各企業の新規事業担当の有志が集う事業開発コミュニティ。これまで、日系企業とシリコンバレーのスタートアップの事業提携を実現してきた。今回のイベントは、シリコンバレーを代表するスピーカーによる事業開発セミナーとパネルディスカッション、そしてSUKIYAKIの代名詞とも言えるEvening Pitchという構成で行われた。
 
 

- セミナーセッション -

「原点回帰」

Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valley CEO

西城洋志氏

 

西城氏は2014年5月よりシリコンバレーのエコシステムを活用した新規事業の企画・戦略立案に取り組んできた。2015年7月からはYamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valley Inc. を設立し投資を含めた新規事業開発を進めている。

 

 

自身が経験した経営陣とのディスカッションや、新規事業開発が既存事業にダメージを与えるおそれがある、いわゆるイノベーションのジレンマが生じるケースなどを説明した。

 

 

早いサイクルで新規事業が出ては消えるシリコンバレーのエコシステムの重要性を説き、失敗が未来の事業に対して持つ有益性やコミュニティが失敗を分解し吸収、取り込んで成長していくことの必要性を述べた。

 

その上で、西城氏自身がヤマハ発動機に同様の文化と土壌を作り上げようと試みていることを語った。

 

日本の大企業では、往々にして既存事業が調子が良い時に新規事業への投資が行われる傾向があり、継続的に多額の資金が新規事業に注がれるシリコンバレーとは大きな差がある。多くの新規事業は開始時が一番士気が高く、時間が立つにつれて縮小され、気づかぬ間に立ち消えてしまうという。

 

 

西城氏は、既存事業とは全く性質の異なる新規事業開発には時間を要するため、経営陣の強いコミットメントが必要だと述べた上で、社内でユニークな価値を提供できる部門としてポジションニングをする方法や、別会社を設立し社内外に対して位置づけを明確に示す意味合いを共有した。

 

シリコンバレーは「世界の少し先の未来を作ろうとしている人たちの集まり」であり、外部からオーディエンスとしてシリコンバレーに向き合うのと、プレイヤーとして参加するのでは、手に入れられる機会と情報が全く違う点に触れ、自身の取り組んできた具体的な投資・提携案件についても言及した。

 

最後はヤマハ発動機の創業者である、川上源一氏の「慎重とは、急ぐことなり」という言葉を引用し、シリコンバレーの循環機能のようにスピード感をもってチャレンジし、判断していく姿勢の重要性を説いた。

 

西城氏は日経産業新聞にも連載を持つ。

新風 Silicon Valley(日経産業新聞)2016/7/12 - 大切なのは「失敗の仕方」米流チャレンジ精神の意味

 

 

「ドイツ企業のSAPがシリコンバレーに学んだこと」

SAP Labs Palo Alto Global Innovation Office Principal

小松原威氏

 

小松原氏は、2015年6月よりパロアルトにあるSAP Labsにてデザイン思考を使った日本企業の変革・イノベーションの支援活動をしている。現在、多くの人が毎日のように小松原氏を訪れ、デザイン思考とイノベーションについてのヒントを掴んでいく。

 

 

SAPはシリコンバレーのテクノロジー企業の従業員企業ランキングで13位にランクインしているそう。他の企業の殆どはシリコンバレーの地元企業のため、シリコンバレーで最大の海外企業と言える。

 

製造業に強く、エネルギーと労働力問題を抱える点で日本と似通ったドイツの老舗企業から学べることは多くあると言う。

 

 

小松原氏は同社が全社員レベルでフィロソフィーとして落とし込んでいる「デザイン思考」や、SAPがシリコンバレーで取り組んできた「d.school」や「HanaHaus」を紹介し、常に問題の本質は何かを突き詰めることの重要性を語った。

 

 

デザイン思考にのっとり、「ソリューションを出す前に、みなさんの『ビッグ・クエスチョン』は何かを考えてみてください」と締めくくった。

 

 

- パネルディスカッション -

「シリコンバレーでの事業の創り方」

パネリスト:

YJ America 知久俊明氏、Panasonic 森俊彦氏、Nifty 上野聡志氏

モデレーター:

SUKIYAKI設立者、デロイト トーマツベンチャーサポート 木村将之氏

 

 

・経営陣から明確なコミットメント

・スタートアップとの出会い・関わり方

・本社とのコミュニケーション

という3点を軸に、木村氏の進行により議論が進められた。

 

YJ Americaの知久氏は、ニューヨークからベイエリアに来て、アドテクを含めた幅広い分野の企業を見ていることを話した。

ミッションは大きく、「Yahoo! JAPAN をもう一つつくること」だという。

 

Panasonicの森氏は、車載機器関連の新規事業開発に取り組んでいること。その一環として、Drivemode、HONDAとの取り組みを紹介してくれた。

 

NIFTYの上野氏は、シリコンバレーに来た経緯や、SUKIYAKIを通して事業提携が実現したMODE社との事業について語った。

本社を説得するにあたっては、数字で可視化して説明をすることが重要だという。